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建物への負荷
建物には自重の重さである固定荷重、そして人物や家具などの積載荷重が加わり、雪が積もった時の積雪荷重などの、常に垂直方向への鉛直荷重がかかっています。
そして更に、地震(地震力)や台風(風圧力)などの横から加わる水平荷重がかかるなど、建物は常に外力に耐え忍んでいるのです。重力に向かって垂直方向へ加わる鉛直加重は、屋根から小屋束や柱・梁(曲げモーメントによる力の伝達)などで荷重を基礎に伝え、横からの水平荷重に対する力は耐力壁で抵抗します。
耐震性を確保するポイントは、耐力壁の量と、重心と剛心の偏心率の度合いが小さいバランスの良い配置が主に重要なのです。

リフォームにおける耐震性能

地震時にかかる水平力に接合部が耐える性能がなければ、いくら耐力壁をバランスよく十分に設けても意味は有りません。それぞれの箇所に負担がかかる応力に見合う接合部の強度が必要なのです。
特に重要な接合部は、耐力壁自体の取付金物と、耐力壁からの負荷を受ける柱等の柱頭・柱脚部の接合部が重要です。すなわち耐力壁の壁倍率が大きければ大きいほど、より水平力に抵抗するために柱に大きな引き抜き力が発生するので、その引き抜き力を押さえ込む為に、ホールダウン金物などの基礎と柱を直接緊結する高耐力の金物が必要となります。

つまり金物といっても、必要な箇所と必要な大きさによって得られる耐力の配分を考慮しないと、かえって保有耐力値を下げることになってしまい結果的には耐震性を損なう結果に繋がります。しかも、構造耐力上に関係ない床下や小屋裏に沢山の補強金物を取り付けても、何ら意味を持ちませんので、このような診断の施工方法を提案する勧誘には気を付けて下さい。

では、壁の量が増え水平構面が強化され、その震動伝達は、より多くなって最終的には基礎に伝えられことになります。最後に、基礎部への負担が一気に増大する応力を配慮して、十分な計算(分散)と耐久性が求められる診断を行います。

建てる工事は下(基礎)から行うのですが、設計や補強計画においては上(屋根荷重)からの計算に従い、ここでは建物全体の耐力の均一化を目指すことが前提なのです。

構造耐力上主要な部分においての対処療法的な金物施工による補強であっても、材料の強度や大きさなど慎重に選択しなければ補強の意味もないことになりかねず、かえって耐震性を損なうような施工では本末転倒どころではありません。私共では耐震に関わることや構造体を変更するリフォームにおいては、必ず耐震診断あるいは構造調査をした上で、必要に応じた適切な補強計画をご提案しております。

既存不的確住宅1
建物が新築される場合は、申請する当時の建築基準法を遵守しますので、当然これより以降に改正があった場合は、その基準を満たしていない事になります。つまり、築年数に応じて法規制が改定された場合、既存家屋はみな「既存不的確住宅」の烙印が押されてしまいます。

既存不的確住宅2
現行基準に満たないからと言って、即耐震強度が弱く、倒壊の恐れがあるからなどと心配する必要もありませんし、即耐震リフォームを行う必要もありません。特に在来工法であり伝統構法を用いた木造建築では、数値が悪い=耐震性が悪いとも言い切れないのです。その証拠に法隆寺や伝統ある寺院などは、現行基準においてはおそらく倒壊の恐れがある極めて危険な数値の判定が出ると思われますが、実際には100年以上、数千年の歴史があり世界中の高層ビルの建築モデルとして評価されています。

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