
地震時にかかる水平力に接合部が耐える性能がなければ、いくら耐力壁をバランスよく十分に設けても意味は有りません。それぞれの箇所に負担がかかる応力に見合う接合部の強度が必要なのです。
特に重要な接合部は、耐力壁自体の取付金物と、耐力壁からの負荷を受ける柱等の柱頭・柱脚部の接合部が重要です。すなわち耐力壁の壁倍率が大きければ大きいほど、より水平力に抵抗するために柱に大きな引き抜き力が発生するので、その引き抜き力を押さえ込む為に、ホールダウン金物などの基礎と柱を直接緊結する高耐力の金物が必要となります。
つまり金物といっても、必要な箇所と必要な大きさによって得られる耐力の配分を考慮しないと、かえって保有耐力値を下げることになってしまい結果的には耐震性を損なう結果に繋がります。しかも、構造耐力上に関係ない床下や小屋裏に沢山の補強金物を取り付けても、何ら意味を持ちませんので、このような診断の施工方法を提案する勧誘には気を付けて下さい。
では、壁の量が増え水平構面が強化され、その震動伝達は、より多くなって最終的には基礎に伝えられことになります。最後に、基礎部への負担が一気に増大する応力を配慮して、十分な計算(分散)と耐久性が求められる診断を行います。
建てる工事は下(基礎)から行うのですが、設計や補強計画においては上(屋根荷重)からの計算に従い、ここでは建物全体の耐力の均一化を目指すことが前提なのです。
構造耐力上主要な部分においての対処療法的な金物施工による補強であっても、材料の強度や大きさなど慎重に選択しなければ補強の意味もないことになりかねず、かえって耐震性を損なうような施工では本末転倒どころではありません。私共では耐震に関わることや構造体を変更するリフォームにおいては、必ず耐震診断あるいは構造調査をした上で、必要に応じた適切な補強計画をご提案しております。 |