2026/09/14
こんにちは。設計部の山本菜々です。
前回に続いて、夏休みの那須旅行のお話です😊
今回訪れたのは、那須塩原市にある
N’s YARD(エヌズヤード)。
奈良美智さんの作品を中心に、現代アートを楽しめるアートスペースです。
前回訪れた時は休館日で、今回は絶対おとずれたかった場所でした。
奈良美智さんといえば、かわいらしい子どもを描いた作品を思い浮かべる方も多いと思います。
が、よく見ると、その表情や作品からは、かわいらしい見た目とは裏腹に、強いメッセージ性が感じられます。
ただ「かわいい」で終わらず、見る人によっていろいろなことを考えさせられるところが、奈良美智さんの作品のおもしろさなのかなと思います。
そして今回、私が作品と同じくらい気になったのが、
建物と自然との関係です。
森の中に建つN’s YARD
N’s YARDを設計したのは、建築家の
石田健太朗さん(イシダアーキテクツスタジオ)。
那須連山のふもとの森の中に建つこの建物は、自然を「建物の外にあるもの」として切り離すのではなく、
自然と人が対等に向き合えるような環境を目指して計画されています。
特に印象に残ったのが、
大きな窓から見える緑。
展示室で作品を見ていて、ふと外に目を向けると、窓の向こうに那須の森が広がっています🌳
「作品を見る場所」と「自然を感じる場所」が別々ではなく、窓の外の景色まで含めて、ひとつの空間として楽しめるような感覚でした。
東京にも美術館はたくさんありますが、この感覚はなかなか味わえないなと思います。
「窓」と「光」も作品の一部
N’s YARDでは、5つある展示室の大きさや天井の高さだけでなく、
自然光の取り入れ方もそれぞれ変えているそうです。
天窓から光を取り入れる部屋があったり、自然光を入れず照明だけで構成された部屋があったり、森を大きな窓から眺められる部屋があったり。
つまり、「作品を展示するための箱」をつくったのではなく、
どんな光の中で、どんな距離感で作品を見るのかまで考えて、空間そのものが計画されているんですね。
私が「この窓から見える緑が素敵だな」「光の入り方がきれいだな」と感じたのも、偶然ではなかったんだなと、あとから知って納得しました。
(調べてから行けばよかったと反省・・・ 再訪します)
外壁の石にも「那須らしさ」
そして、建物を見ていて「この外壁、素敵だな」と思っていたのですが……
調べてみると、外壁には
敷地の近くで採れる芦野石が使われていました。
30mm幅の芦野石を積み重ね、目地を少し奥まらせることで、石の水平なラインと、太陽の動きによって変化する影が感じられるようにしているそうです。
こういう「その土地で採れる素材を、その土地の建物に使う」という考え方も素敵ですよね。
建物だけを切り取って見るのではなく、
那須の森・光・素材まで含めてN’s YARDという場所がつくられているんだなと感じました。
(おまけ)子どもと一緒でも楽しめました!
今回は息子も一緒だったのですが、屋外の作品や庭もあったので一緒に楽しむことができました😊
美術館というと、子どもと一緒だと少しハードルが高いかな?と思っていたのですが、
N’s YARDは館内の作品だけでなく、庭を歩いたり、屋外の作品を見たり、外の自然を感じたりと、いろいろな楽しみ方ができました。
「自然を取り込む」ことは、家づくりにも
今回N’s YARDを訪れて、改めて感じたのが、
窓は「明るくするため」だけのものではないということ。
家づくりでも、「大きな窓にしたい」と考えることは多いですが、
「その窓から何が見えるのか?」
「どんな光が入ってくるのか?」
「その景色を、家の中のどこから楽しみたいのか?」
まで考えてみると、同じ大きさの窓でも、暮らし方は変わってきます。
N’s YARDでは、那須の森というその場所ならではの環境を建物の中に取り込むことで、アートと自然の両方を楽しめる空間になっていました。
「建物を建てる」というだけではなく、
その土地にある自然や素材をどう生かすか。
これは住宅の設計でも大切にしたい視点だなと、今回の訪問を通して改めて感じました。
那須に行った際には、ぜひ奈良美智さんの作品だけでなく、
窓から見える景色や光、外壁の素材にも注目してみてください✨
きっと、アートとはまた違った楽しみ方ができると思います。
設計部 山本菜々