2026/07/28
こんにちは。OKUTA不動産の森内です。
休日にポータルサイトを開いて、条件を入れて、出てきた物件を上から順に眺めていく。気になる一件を見つけて内見に行くと、リフォーム済みのきれいなお部屋で、写真のとおり。悪くないけれど、決め手がない。
そうやって何件か見るうちに、だんだんどれも同じに見えてくる——。
物件探しを始めた方から、いちばんよくうかがうお話です。
これまで4回にわたって、頭金や諸費用、住宅ローンのことをお伝えしてきました。お金の準備が見えてくると、次に出てくるのが「では、どの物件を選べばいいの?」という問い。
今回から5回にわたって、そのお話をします。
「どれも似て見える」のは、見ているところが同じだから
先日、首都圏にお住まいの方2,900人あまりに聞いた調査が発表されました。住まい選びでこだわった点として挙げられたのは、次のような項目です。
- エリア(沿線や地域) — 約6割
- 最寄り駅からの近さ — 約5割
- 価格とのバランス — 約5割
- お部屋の広さ — 約4割
お気づきでしょうか。
どれも、ポータルサイトの検索窓に入力できる項目ばかりです。
同じ条件で並べたものを、同じ順番で見ていく。それなら、どれも似て見えて当然なのです。
そして条件を厳しくしていくと、候補はいずれ尽きます。
同じ調査で候補から外した理由を聞くと、いちばん多かったのは「希望する場所に物件がなかった」でした。
ここで多くの方が、エリアを妥協するか、予算を上げるかの二択に追い込まれてしまいます。
けれど、もう一つの道があります。
見るところを増やすことです。
2つしか見ていないから候補が尽きる。5つあれば、同じご予算・同じエリアの中でも、選びたいお部屋の差がはっきりしてきます。
中古マンション選びで見たい、5つのこと
1|場所 — 「駅から徒歩◯分」の先を見る
同じ「駅徒歩8分」でも、その駅が始発かどうか、複数の路線が使えるか、途中に坂や踏切があるか、スーパーや病院が近いか。これだけで毎日の暮らしやすさは変わります。
ベビーカーを押して歩く道なのか、雨の日に子どもと歩く道なのか。分数の裏側を想像してみてください。
2|管理 — 建物の元気さは、住んでいる方たちが決めている
マンションは、住んでいる方たちでつくる組織が毎月お金を集め、計画的に直していくことで保たれています。
つまり
建物のこの先は、そこに住む方たちがどれだけきちんと決めてきたかで変わるのです。
修繕のお金が貯まっているか。何年後に何を直すかの計画が見直されているか。話し合いの記録に何が書かれているか。どれも買う前に見せてもらえます。エントランスのきれいさより、数字と書類のほうに答えがあります。
第2回でお話しします。
3|築年数と建物 — 「築何年」という数字だけで見ない
いつの耐震のルールで建てられたか。水道やお湯の配管がいつ新しくなったか。同じ「築35年」でも、これが違えば安心感もリノベーションでできることの幅も変わります。
中古を買ってリノベーションした方の平均築年数は36.5年。市場全体の平均より10年ほど古い建物です。
築年数という一本の物差しだけで切らなかった分、選べる幅が広がったということですね。
第3回でお伝えします。
4|お部屋の性能 — 買ってから直せること、直せないこと
壁紙や床、キッチンの見た目は後から変えられます。一方で窓の位置や大きさ、水回りを動かせる範囲、そして
暖かさ・涼しさは、買ってから手を入れられる範囲が限られます。
リビングは暖かいのに、廊下や脱衣所に出た瞬間ぞくっとする、あの温度差です。見学のときには見えないのに、住み始めてから気づきやすいところ。
第4回でお話しします。
5|手放すとき — 次の方が買いやすい家かどうか
多くの方は住むために買います。
それでも、ここは外せません。転勤、ご家族が増える、ご両親の近くに移る。10年後に手放す可能性は誰にもゼロとは言い切れないからです。
そのとき、
次に買いたい方が住宅ローンを組める家かどうかで話の進みやすさがまるで違います。将来を考えておくのは投資家のようにふるまうことではなく、自分たちの逃げ道を用意しておく、それだけのことです。
「いまの姿」と「直したあとの姿」を、一緒に見る
とはいえ、これを見学のその場で判断するのは簡単ではありません。特に3と4は、「どこまで直せるのか」「直すといくらかかるのか」がわからないと決めようがないからです。
先ほどの調査では、
物件探しからリノベーションまでをまとめてお願いできるサービスについて、6割を超える方が「そういうサービスがあること自体を知らなかった」と答えています。
物件は不動産会社、工事は工務店。別々に進めるのが当たり前だと思われているのですね。
ただ、その進め方だと工事の金額が出てくるのは物件を決めたあとになります。
「買ってから、暖かくする工事に思ったより費用がかかるとわかった」
ということが起こります。
OKUTA不動産では、不動産の担当者とリノベーションの設計・施工の担当者が同じ会社にいます。
ですので見学のその場で「このお部屋はどこまで手を入れられるか」「暖かくする工事まで含めるといくらくらいか」を、おおよその形でお伝えできます。物件のよし悪しは、
リノベーションしたあとの姿まで見えて、はじめて決められるものだと思うのです。
まとめ
物件がどれも同じに見えて候補が尽きてしまうのは、見ているところがエリアと価格の2つだけだからかもしれません。場所・管理・築年数と建物・お部屋の性能・手放すとき。この5つで見ていくと、同じご予算の中でも選びたいお部屋が見えてきます。
首都圏の中古マンションは、このところエリアによって動きが分かれてきました。全体が一律に上がっていく時期ではなくなったいまだからこそ、その目が効いてきます。
次回は、いちばん差がつく「管理」のお話です。修繕のお金、直す計画、話し合いの記録。この3つから、そのマンションのこれまでとこれからをどう読み取るか。買う前にどなたでも確かめられる方法をお伝えします。
このシリーズの記事一覧
- 中古マンション選びで見たい5つのこと。価格だけで決めない物件の「見極め方」(この記事)
- 中古マンションの「管理」はどこを見る?修繕のお金と修繕計画の読み方
- 中古マンションの築年数と価格の関係 — 価格が落ち着く「築年数の帯」とは
- 見学でわかる暖かさと設備 — 買ってから直せること、直せないこと
- 中古マンション選びのチェックリスト — 5つの見どころで実際のお部屋を見てみる
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