築80年 床の間の再生 ― 虫食いの落とし掛けと黒檀の床柱 ―(株式会社OKUTA LOHAS studio立川店のブログ 津籠 和歌子@OKUTAのブログ) リフォームのオクタ

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津籠 和歌子@OKUTA

築80年 床の間の再生 ― 虫食いの落とし掛けと黒檀の床柱 ―

2025/08/29

▼築80年の床の間。奥に見える三角状に曲がった材木が「落とし掛け」です。
落とし掛け

長い年月を支えてきた床の間には、確かな時の重みが刻まれていました。
落とし掛けには虫食いが目立ち、
このままでは強度や意匠の面で使い続けることはできません。
お父様からは「交換してもいいよ」とのお言葉をいただきましたが、
80年という歴史を共にしてきた材木を、
簡単に取り替えてしまうのは惜しいことです。
そこで大工さんの技を信じ、
虫に食われた部分を丁寧に削り落とし、
健全な部分を活かして再利用することをご提案しました。

一方、床柱は残念ながら割れがひどく、再利用することはできませんでした。
そこで新たに選んだのが、黒檀の突板を用いた床柱です。
黒く深みのある艶をたたえ、和室に格式と重厚さを添える銘木として知られています。
ただし、既存の曲がった落とし掛けと組み合わせるには高度な加工が必要であり、
職人さんの確かな技術が求められました。

▼黒檀の床柱を大工さんが手作業で加工。
仕口に合わせて整えていきます。
②
▼古材の落とし掛けと、新しい黒檀の床柱が組み合わされた瞬間。
③
古い落とし掛けと、新たに迎え入れた黒檀の床柱。
異なる時代の木材が出会い、
一つの空間を形づくる姿は、
まさに「調和」と呼ぶにふさわしい光景です。
ただ新しくするのではなく、
時を超えて素材同士が響き合う――それはリフォームだからこそ生まれる出会いでもあります。

完成すれば、古き良き趣を残しながらも、
黒檀の力強さをまとった新しい床の間へと生まれ変わります。
80年の歴史を重ねた空間が、
新たな表情を見せながら次の世代へ受け継がれていく。
このリフォームには、単なる修繕を超え、
家を大切に守り続ける深い想いが込められています。

80年の歴史を受け継ぎながら、新たな美をまとった床の間。
そこには「住まいを大切にし、未来へつなぐ」という確かな意志が息づいています。

【LOHAS studio新宿店】
住所:東京都新宿区新宿4-1-4 新宿南口ビル7F
電話:0120-19-5955 (新宿店直通)03-5315-0377
交通案内:JR新宿駅より徒歩3分

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OKUTA LOHAS Studio吉祥寺店
インテリアデザイナー
津籠和歌子(ツゴモリワカコ)です。
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