2025/11/03
OKUTAこめまめプロジェクト』の
パートナーである小川町下里地区。
その地元の「NPO法人生活工房つばさ・游」
理事長である高橋さんが毎月送って下さるお便りを、
ブログでもご紹介させて頂きます^^
それでは、今月号をどうぞ!
(※下記、高橋さんの文面を転載しています)
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朝夕の空気がぐっと冷たくなり、里の木々も少しずつ色づきはじめました。秋の深まりとともに、今年も無事に新米の季節を迎えました。
10月20日には、「こめまめプロジェクト」2025年産米の第一陣を各地へと発送しました。申し込まれたみなさんのもとに、小川町の田んぼの香りが届いたことと思います。
今年は田んぼの面積を少し広げ、より多くの方にお米を届けられるようにと挑戦しましたが、収量は期待していたほどには伸びませんでした。夏の渇水と厳しい暑さの影響があったのかもしれません。それでも、一粒ひとつぶに今年の気候を映した新米の味わいは格別で、自然と向き合いながら育てる尊さをあらためて感じています。冬の足音が少しずつ近づくこの頃、温かいごはんとともに、小川町の秋の実りを味わっていただけたら嬉しいです。
今月のトピックス
【レポート】2025年産新米を発送 10/20
【レポート】環境再生型農業講座第9回レポート 10/19
【コラム】「未来につながるオーガニック給食」第25回 2025年産米の収穫を終えて OKUTAこめまめプロジェクトのこれから
今月の話題
【情報】講演会「埼玉発!食と農の未来~まいにちのごはん これからのごはん〜」 11/22
【情報】移住セミナー埼玉ではじめる農ある暮らし 11/15
【情報】第47回小川町商工祭 11/3
【レポート】日本オーガニック会議オーガニック給食部会と官民連携会議 10/2、10/4
【レポート】オーガニック学校給食フォーラム深掘りセミナー 挑戦する農家 10/7
【レポート】小川町商店会まちゼミ始まる
【レポート】中国秦邦吉品・有機農家視察団が有機農業視察で小川町来訪 10/14
今月のトピックス
【レポート】2025年産新米を発送 10/20
9月末からの稲刈りを経て10/20に提携米の第一陣を皆様の元にお届け致しました。毎年10月発送分は多く、今回も500kgを超えました。
夏の猛暑と8月の出穂期の渇水で、収量が思うように伸びなかったそうです。提携農家の減少と高齢化でターニングポイントに立たされている事を改めて感じています。
昨年、一昨年と猛暑で全国が不作に見舞われ、お米不足状態は当分続く見込みです。異常気象は世界中の問題で、食料安定供給が揺らいでいる昨今、OKUTAこめまめプロジェクトの意義が
再びクローズアップされ、「地域の食の自立」を真剣に考えて頂きたいと願っています。
<新米発送の様子>
【レポート】環境再生型農業講座第9回レポート 10/19
「食の自立」の始めの一歩は自分の食卓から、をテーマに始まったこの講座です。家庭菜園の延長線上に位置づけていますので、なるべく省力化し、楽に出来る方法を模索しています。
環境再生型=緑肥活用で耕さず、堆肥を入れない農法です。
緑肥であるクローバーやライ麦を撒く事で、根っこが深く浸透することで耕さず、根粒菌などで堆肥を撒かなくても済む方法など模索してきました。やっと一年目が終わり、根っこがどのように土壌に残り、どんな結果を生み出すのかは、これからです。二年目の畑がどのように変化するのかワクワクします。来年も引き続き、環境再生型農業講座は開設予定です。
<エディベリのみんなの畑の芋収穫作業>
【コラム】「未来につながるオーガニック給食」第25回 2025年産米の収穫を終えて OKUTAこめまめプロジェクトのこれから
稲刈りを終え、今年も新米の香りがあたりに漂う季節となりました。毎年恒例の「OKUTAこめまめプロジェクト」も、無事に2025年産米の第一陣を発送することができました。お手伝いいただいた農家の皆さん、本当にありがとうございました。
今年は田んぼの面積を少し広げ、より多くの人に下里のお米を届けたいという思いで臨みました。しかし、結果として収量は期待を下回りました。夏の異常な暑さと長く続いた渇水が影響したのだと思います。田んぼを増やしても実りが増えない――気候変動の現実を、私たちは肌で感じています。こめまめプロジェクトを支えてくださっている農家さんたちも、年々高齢化が進んでいます。「あと何年できるかな」と笑いながら話すその姿に、頼もしさと同時に、寂しさも感じます。
このプロジェクトは、単にお米を作って届ける活動ではありません。地域の農家と企業、そして消費者が「信頼の糸」で結ばれて続いてきました。けれども、もし農家さんが廃農する時が来たら――それがプロジェクトの終わりを意味するかもしれません。
もう一つの現実は、経済の波です。農林水産省の近年の米価推移(添付参照)を見ると、慣行栽培米の価格が有機提携米の価格を上回るという逆転現象が起きています。 これまで「有機だから少し高くても」という理解で成り立ってきた提携関係が、いま曲がり角を迎えています。この状況が続けば、「有機で作り続ける」意義をどう支えるのか――生産者も消費者も改めて考える必要があります。自然の厳しさ、経済の波、そして人の世代交代。どれも避けて通れない現実です。
けれど、私たちはこのプロジェクトを通して、たくさんの人の「想い」がひとつの田んぼに集まる力を見てきました。子どもたちが食べる給食の一膳のお米に、「誰が、どんな思いで育てたのか」が見える。――そのことが、未来の希望になる。OKUTAこめまめプロジェクトは、これからも地域の知恵とつながりをたよりに、持続可能な形を模索していきます。私たちの目の前にある“曲がり角”を、希望の方向へと曲がっていけるように。小さな田んぼから、未来につながる一粒を育てていきたいと思います。
<農水省・米価表>
今月の話題
【情報】埼玉発! 食と農の未来~まいにちのごはん これからのごはん〜 11/22
日時: 11/22(土)13:30〜15:30(開場13:00)
場所: 狭山市市民交流センター
1Fコミュニティホール/2F 研修室(📍狭山市入間川1-3-1)
(狭山市駅西口徒歩1分)
※お車の方は近隣駐車場をご利用ください
資料代:1000円(会場参加/オンライン参加)(22歳以下の方 無料)
内容:東京大学の鈴木先生をお招きしての講演会などです。
★お子様連れ歓迎(おもちゃ用意あり)★親子視聴室(2F研修室)あります
★オンライン参加可能★アーカイブ視聴可能★当日参加可能
◎同時開催♪お野菜マルシェ \さいたマルシェ/
予約お申し込みについて:
https://peatix.com/event/4576588/view
※高橋も実行委員として関わっています。
<講演会チラシ>
【情報】移住セミナー埼玉ではじめる農ある暮らし 11/15
時:11月15日(土)17:30~19:00
所:ふるさと回帰支援センター東京(東京交通会館8F)セミナールーム
on-lineあり
詳細・申込み:
https://linevoom.line.me/post/1176110088794538453
【情報】第47回小川町商工祭 11/3
時:11月3日(月・祝)10:00~15:00
所:小川町役場前広場
詳細:
https://linevoom.line.me/post/1176110074094530820
【レポート】日本オーガニック会議オーガニック給食部会と官民連携会議 10/2、10/4
10/2~4の3日間開催されたオーガニックエキスポ連携日本オーガニック会議にて「オーガニック給食の安定供給に向けて産消工連携ネットワークの試み」として日本有機農産物加工ネットワーク理事長・南埜様にお話し頂きました。
有機野菜生産畑の隣で冷凍加工場を設け、旬の時期の美味しい有機野菜を冷凍して、有機野菜の端境期に供給する仕組みです。
旬である年に1回の収穫で1年分の需要を賄おうという提案なので、これからの販路開拓と需給調整が鍵ですが旬の時期は地場産で、端境期は冷凍で、と棲み分ける事で通年を通して有機野菜が安定供給出来ます。野菜の種類を絞り、田畑を集積して大規模化する事で価格調整が可能で、冷凍慣行野菜と冷凍有機野菜の価格がほぼ変らないそうです。
安定供給先として学校給食を考えていらっしゃるそうで、これの普及で日本のオーガニックが伸びていくことを期待してやみません。続いて4日に行われた官民連携会議では出席した農水省、環境省より、官が民の知恵を借りて連携していく大切さを強調していたのが興味深いです。
<セミナーの様子>
【レポート】オーガニック学校給食フォーラム深掘りセミナー 挑戦する農家 10/7
越谷市の有機農家・中山さんのリアルな現場からの学校給食への有機農産物納入の現状が語られました。有機・慣行を問わず近隣農家と力を合わせて、給食セミナーへ納品する事、栄養士さんとの信頼関係が大事な事そして、自治体の職員や栄養士さん達の考えに左右される難しさも語ってくれました。全国あるあるの内容に、どうやってこの課題を解決していくか、課題はつきないですね。
【レポート】小川町商店会まちゼミ始まる
10月から商店会を知って貰おうと各商店がセミナーを開く企画が始まりました。
そこで、噂には聞くけど普段は見ることが出来ない「セキネシール」さんに参加してきました。セキネシールさんは「ガスケット」を作る会社です。
ガスケットとは
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88
そのガスケットは手漉き和紙の技法を応用したものです。型抜きなので、打ち抜き後の端材を活用して画像のような家庭製品を開発中です。さて、これは何でしょうか?
社長は昨年に会社を継いだ前社長の三男の代表取締役社長・関根俊直さんです。
参考:
https://kenja-succession.com/articles/strategy/interview-sekineseal-2/
小川から若きベンチャー企業が出てくる事を期待してやみません。小川はかつて埼玉県下5本の指に入る商業都市でしたから、その伝統は脈々としてあるはずです。
参考セキネシール:
http://sekineseal.co.jp/
<セキネシールでの家庭用品(ゴミ箱)を紹介する社長>
【レポート】中国秦吉農家視察団が有機農業視察で来訪 10/14
5月に続いて中国南京市近郊の秦邦吉品の皆さんをお迎えして小川町内の有機農業などを見て頂きました。今、中国では食の安定供給や農産物の安全性を巡って大きな変化が起こっているそうです。秦さんの農場は中国でも有機農場モデルとして有名だそうです。次回は是非日中交流に発展させたいものです。
参考・秦邦吉品:
https://www.ofcc.org.cn/index/collect_new/detail/id/1003.html
<中国の著名な有機農家・秦さんと共に>
発行日:2025年11月1日
制作:NPO生活工房つばさ・游・高橋さま